映画「ハチミツとクローバー」の世界。〜出会い編〜
2006年公開映画、「ハチミツとクローバー」のお話です。
ちなみにハチクロのストーリーにはあんまり触れません。
はじめて観たのは私が中学3年生か高校1年生の頃だったかと思います。TSUTAYAでDVDを借りました。ストーリーをとっても大雑把に言うと、美大に通う5人の男女が全員が誰かに片想いをしている、という青春恋愛ストーリーです。
主な登場人物は
竹本くん(櫻井翔)
はぐちゃん(蒼井優)
森田さん(伊勢谷友介)
真山(加瀬亮)
山田さん(関めぐみ)
花本先生(堺雅人)
なんだかすごい。いまだに当時の出演キャストをテレビで見かけると、ハチクロの役名で呼んでしまいます。
ストーリーも大好きですが、この時の私は劇中で登場する、建物や音楽に釘づけでした。
まず、竹本くんが住むボロアパート。
何これ、ここどこ?なんだこの素敵なボロアパートは‥!
当時、家にあったパソコンでなんとか調べたところ、それは「同潤会三ノ輪アパート」だと言うことがわかりました。すぐに実物を見にいこうかと思いましたが、とっくに取り壊されていました。のちに知りますが、アパートの取り壊しが決まった後に、ハチクロの映画撮影用に使用されたようです。本当に素敵でした。DVDを一時停止してひたすら細部を見ていました。
これをきっかけに私は同潤会アパートに興味をもち、どんどん調べていくうちに、これは関東大震災の復興支援として各地に建設された鉄筋コンクリート造の集合住宅だと言うことがわかりました。
各地にあるんだ、まだ取り壊されていないところがあるかもしれない‥!
調べた時点で現存している同潤会アパートは、上野にある「同潤会上野下アパートメント」だけでした。そしてすでに取り壊し日も決まっていました。
一刻も早く見にいこうと思いました。
2013年でした。
建築物を見にいくのにこんなに緊張したことはありませんでした。きっとあれ以上緊張することはないような気がしています。現地までの道のりは、Googleマップのストリートビューで何十回もイメトレをしました。地図上ではありますが、周辺環境もしっかりリサーチ済みでした。近くに銭湯があるのか、アパートの住人はここを利用したりするのかな、とか。近くのスーパーここかな、とか。まるで自分が住むかのようなリサーチっぷりでした。
地図が見られるケータイを持っていなかったので、家で地図をプリントアウトして、色んなことを書き込んで、現地に向かいました。
同潤会上野下アパートは、銀座線「稲荷町駅」が最寄りでした。歩いてすぐでした。少し歩くとアパートの片鱗は確認できました。「あった!」と思いました。
でもなかなか近づけませんでした。バリケードがあったわけでもなく、ただただ緊張で近づけませんでした。圧倒的な存在感でした。なぜかドキドキするし、訳わかんないけど緊張しました。
なんだかんだ‥そこから1時間くらい周辺をうろちょろうろちょろしていました‥。近づけない、ど、どうしよう‥。
まずい!このままでは日が暮れる!意を決してのご対面!
デジカメもしっかり充電してきたし、たくさん記録に残そう!とか思っていたのに実際は全然写真に残すことができませんでした。(なんで!もっと撮っておけばよかった!)
目に焼き付けなきゃ、と精一杯だったような気がします。
あと、なんかおばあちゃんが、アパートの正面に椅子を置いてどっしり座って、アパートの番人みたいになっていた記憶があります‥。住人の方かな。
でも、その時に撮った大切な大切な一枚の写真は、今でも手帳にはさんで持ち歩いています。こんなに感動できるものに出会えてよかったな。
どこにきっかけがあるかわからない。
あの時ハチクロ観て本当によかった、と思いました。
これをきっかけにして、10代の私は建築物に興味が湧き(ちょっと古めの)、むくむくと同潤会アパートを調べはじめます。その後農業大学へ進学したにも関わらず、なぜか先生に無理を言って同潤会アパートの卒論を書きます。
結局、今もアパートやビル、団地などに惹かれ、写真を撮ったり絵を描いてみたり。
好きなものって、なんで好きなのかわかりませんねえ。
